節約実践日記

最近料理と家事に目覚めた40代2児のパパがいろいろな節約を検証します。だましなし。

だいたい1日1食健康法(ダイエット)② 消費カロリーの不思議

 

f:id:setuyakusetuyaku:20190207042339p:plain


ご訪問ありがとうございます

 

今日は一日一食健康法(ダイエット)の私なりの理屈について第二弾です

前回はダイエットは健康的かという疑問に対して、アカゲザルの検討を紹介し、ある程度のダイエットは寿命を延ばす可能性があるという記事を書きました

今回は私がとても興味を持った研究結果を紹介します

 

東アフリカに1万年前と変わらぬ狩猟採集生活をしている民族「ハッザ族」のカロリー消費と現代人のカロリー消費を比較した研究です

 

まずは結論から・・・

現代の生活様式はカロリーの無駄遣い?

 

 目次

 

ハッザ族の紹介

ハッザ族は1万年前と変わらぬ暮らしを根強く続けている民族

狩猟で食事を得る

親族を含めて20~30人のコミュニティで集団生活を営んでいる

ハッザ族の人口は合計で1000人程度

主食は野生動物の肉、バオバブの木の実、ヤマイモなど

非常に活発で痩せており、体脂肪率は西洋人の通常の健康的な範囲の下限程度

農業はしない

家畜は飼育しない

機械には頼らない

近代的な道具は使用しない

 Hadza montage.png

画像はwikiから引用

Hadza people - Wikipedia

 

 

ハッザ族の一日

男性は通常、日中は採餌しながら自分自身も食べ、蜂蜜、果物、または野生の動物も取る

女性はバオバブ果実や塊茎を採取

歩行距離は 女性で平均5.8 km /日、男性11.4 km /日

 

日本人の移動距離と比較する

厚労省のデータによると、歩数の平均値は男性で 6,846 歩、女性で 5,867 歩とされています

国民健康・栄養調査|厚生労働省

 歩幅が58-84 cmなので(J. Anthrop. Soc. Nippon 人類誌 98: 385-401 (1990年))

そこから計算すると1日の日本人の歩行距離は3.4kmから5.7kmということになります

 日本人はハッザ族の半分の歩行距離です

 

ハッザ族族の身体活動レベル

次にハッザ族の身体活動レベルを見てみます

1日の総エネルギー消費量が基礎代謝量の何倍になるかを示した値です

ハッザ族男性の推定身体活動レベルは2.26だったそうです

日本人の身体活動レベルを参照すると、普通に該当する場合が1.75程度なので、ハンザ族の身体活動レベルが高いことがわかります

f:id:setuyakusetuyaku:20190205052548p:plain

身体活動レベルの説明

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

表の引用

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

 

これらのことから、ハッザ族は1日の食糧(エネルギー)を得るために、狩りに出向き、身体活動レベルが我々よりも高い性質を持っていることがわかったと思います

そんなハッザ族のエネルギー消費量はどうだったのでしょうか

 

 

ハッザ族のエネルギー消費量

西洋男性→3053 kcal/日

ハッザ族男性→2649 kcal/日

 

ハッザ族のエネルギー消費量は西洋人と同等でした

(個人的にはハッザ族が低い傾向にあると感じます)

 

データに関しては引用元の表を下に示しています

TEEというのが総エネルギー消費量を意味します(赤枠

総エネルギーは二重標識水法(日本でも使用されている方法)で測定されています

 

f:id:setuyakusetuyaku:20190205054042p:plain

 

 

 個々の値も掲載されていたので、下に示します

西洋人(灰色)とハッザ族(赤)のポイントが重なっています

エネルギー消費量は西洋人と大きく変わらない印象です 

 

f:id:setuyakusetuyaku:20190205053516j:plain

 表の見方

 ハンザ族(赤丸),西洋人(灰色 ), ボリビアの農家(青丸

 線は、西洋人男性(実線)および西洋人女性(破線)を通る最小二乗回帰です

 TEEがエネルギー消費量です

  Fat free mass は徐脂肪体重でエネルギー消費量と相関する指標です

 (日本栄養・食糧学会誌 69, 109-115,(2016年))

 

  

結果

身体活動レベル

西洋人<ハッザ族

 

エネルギー消費量

西洋人>ハッザ族

 

これはどういうことなのでしょうか?

 

この論文の著者は「西洋の生活様式はエネルギー消費の減少をもたらすのではないか」と言っています

 

まとめ

人が農耕するようになったのはおおよそ10000年前くらいのようです

農業起源の考古学―農耕牧畜はどのように始まり、世界に広まっていったか? | 門脇誠二研究室 | 名古屋大学大学院 環境学研究科 地球惑星科学系 地球史学講座(博物館)

ヒト(ホモ・サピエンス)が発生したのは20-200万年前だと言われています

つまり、人間は農耕して、食事を安定供給できるようになるまではハッザ族のように狩猟をしていたのでしょう

そのような暮らしでは常に食べ物が溢れていたとは考えにくいため、常に空腹状態が続いていたのではないでしょうか

遺伝子的にはそのような環境で生き残れるように進化しているはずです

 すなわち、摂取したエネルギーを節約する遺伝的プログラムが存在するのではないでしょうか

 

1日1食健康法(ダイエット)①の記事で述べたように、カロリー制限は寿命を延ばす可能性があります 

だいたい1日1食健康法(ダイエット)① - 節約実践日記

現代の生活様式ではエネルギー摂取が過多になり、体はエネルギーを節約することなく消費しているような気がします

まるで、お金持ちがお金の無駄遣いをしているようです

 

しかし、ハッザ族と現代人は進化の過程で異なる性質を獲得している可能性もあり、比較の対象にならないかもしれません

筆者も西洋人にハッザ族と同じ行動をさせていないことを述べていました

今後の研究が期待されます 

 

私の考える1日1食健康法(ダイエット)は余分なエネルギー摂取を控え、時間やコストを削減し、活動的な人生を行うために実践しています

今回は私の考えの元になった論文を紹介させていただきました(引用は下記です)

 

journals.plos.org

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。